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ホーム > すべて表示 > ヘッドライン > 療養病床転換の建築設計上の問題点は?
1 療養病床は1床当たり6.4uですが、老人保健施設は1床当たり8u必要。
このため、現状のままの建物では、ベッド数が減少します。 例えば、60床の療養病床を老健施設に転換するとそのままでは45床になって しまいます。したがって同じベッド数を確保しようとすれば、敷地内か、サテライトの 増築が必要になります。 結論としては、敷地条件等による個別の検討が必要になります。 最近になっていろいろ条件が緩和されてきています。 うまく対応すれば、大規模な改修なしに対応できそうです。 2 増築等により、ベッド数を確保した場合の問題点は、既存の老人保健施設あるいは、新しく建設されるユニット型老人保健施設に対する競争力です。 3床タイプの多床室で構成するか、個室を多くするか、ユニット型にするかの選択があります。厚生労働省は個室を、しかもユニットタイプを推奨しています。当然個室タイプの方が療養環境がいいのは、誰が考えても明らかです。 しかし、ここで注意しなければならないのは個室タイプにすると建物の面積が同じだとベッド数が減ることです。60床の療養病床を個室タイプの老健施設に転換すると そのままでは30床になってしまいます。多床室で構成する場合にくらべて15床減少します。 このことを考慮しないで、個室タイプが、単純に介護報酬が高い、療養環境がいいということだけで判断すると間違った計画をしてしまいます。 結論としては、同じ60床にする場合、個室タイプにした場合の増築面積は多床室にした場合の倍になることを考えて、建設コストと介護報酬のバランスで個別に判断することです。 事業収支計画が必要になります。 これはデーターがあれば簡単に検討出来ます。 3 他の老人保健施設との競争力について 一般に競争力というと多床室か個室かユニットタイプかという検討に重きが置かれますがそれだけでは決まりません。それぞれの療養病床がもつ個別の地域的特性、今までの歴史を踏まえながら、判断すべきです。その時に重要になってくることは2点あります。 結論としては、1つは単なるタイプの決定ではなく、利用者に好まれる療養環境のアイデアを具体的に検討することです。快適な場所をつくる建築デザインが必要になります。 2つ目は、事業収支計画に基づいた投資です。個室がいいからと、建築投資額を膨らませると経営的な問題が発生します。建設コストをコントロールする工夫が必要です。 4 最後に、転換スケジュールの把握が大切です。 老人保健施設への転換のためには、申請が必要になります。通常8月頃から協議を開始し翌年1月に交付金の申請、3月には決定されます。それから確認申請がおりるのに3ヶ月かかります。そのあと、増築工事、改修工事の工事期間を見なければなりません。 収入を考えると、療養病床を使用しながらの改修工事になるため工事のための時間が必要になります。 結論としては、遅くとも2010年に交付金の事前相談、協議を開始しなければなりません。 そのためには2010年中に様々な方向性の事業計画を検討する必要があります。 それぞれ個別の条件がありますので、検討に時間がかかります。 さて、療養病床からの転換型老健は医療強化型老健と位置づけられているため、もしこの方向が変わらなければ、今までの老健とは異なる生活イメージが予想されます。 つまり、今までの療養病床と同じ施設内容で対応出来るように思われます。 しかし、今までの厚労省の介護保険に対する展開をみていると、あまり限定した計画は後で施設としての役割を果たせなくなります。したがって、転換型介護老人保健施設においても、フレキシブルで誰が入所しても快適な施設を提案するべきと考えます。 結論としては、転換型老健も、長い視野で考えると今までの老人保健施設と変わらない快適な居住環境が必要と思われます。 - WL-News Ver1.02 - |